映画『コーヒーが冷めないうちに』原作との相違点をネタバレ解説!

9/21に公開された映画『コーヒーが冷めないうちに』が初週の興行収入2位と順調な滑り出しをみせています。「4回泣ける」と言われる今作、原作は100万部を超えるベストセラー小説です。

話題に事欠かない今作に興味津津な方も多いのでは?今回の記事では『コーヒーが冷めないうちに』を原作との相違点からネタバレ解説していきます。

原作を読んだ方も映画を観た方もこれを機会にもう片方の作品鑑賞を検討してみてください。

原作『コーヒーが冷めないうちに』はすでにシリーズ化

舞台の脚本、演出家である川口俊和氏による原作『コーヒーが冷めないうちに』はすでにシリーズ化され続編が二冊出ています。 それぞれ『その嘘がばれないうちに』『思い出が消えないうちに』の2作品です。

『思い出が消えないうちに』は映画公開に合わせリリースされました。
映画化が決定した際にはすでに続編『その嘘がばれないうちに』が出ていたため、映画版ではこの二作品も意識した作りになっています。

映画版は原作と全然ちがう!?

では次に原作と映画版の相違点をネタバレ含め見ていきます。
大きな変化から小さな変化まで一つずつ紹介していくのでどちらかが未読、未見の方は片方を思い出しながら読んで見てください。

映画版では時田計(ときたけい)が登場しない

映画版では主要登場人物に大きな変更が加えられています。それは計が登場しないというものです。

原作ではマスターである時田流(ながれ)の妻として登場した計ですが、今作での流は独身という設定になっています。

計の代わり?新キャラ新谷亮介

計がいなくなった代わりに新谷亮介(伊藤健太郎)というキャラクターが映画版では登場します。
フニクリフニクラ近くの大学に通う青年であり、数に恋しているという設定です。映画版ではショートストーリーと並行して2人の恋愛模様も描かれていきます。

一本の映画として大きな軸が欲しかった?

四つのショートストーリーから成り立つ原作ですが、そのまま映画化するとラストが困ってしまいます。軸がないからです。
散漫なままで終わってしまうのを避けるために数と新キャラクター新谷亮介との恋愛模様を追加したものと考えられます。

Wヒロインを回避するため?

この変更についてはさまざま理由が考えられますが、さらに有力な理由としてあげられるのはWヒロインの解消です。
映画版では尺が限られています。ただでさえ四つのショートストーリーをさばくのに精一杯な所にダブルヒロインは不可能と考えられたのでしょう。

ショートストーリーが違う!

ここまで登場人物について違いを見ていきました。次にストーリーラインの変更を見ていきます。

原作ではショートストーリーがそれぞれ四つ収録されています。

  • 「恋人」
  • 「夫婦」
  • 「姉妹」
  • 「親子」
以上のい四つが収録作ですが、それぞれ映画版では大なり小なり変更が加えられています。それぞれ見ていきましょう。

ショートストーリーの変更点は!?

第一話「恋人」ではヤケド痕がない

清川二美子(波瑠)を置いてアメリカに旅立ってしまう賀田五郎(林遣都)ですが、原作では額にやけど痕があります。

のちにそれが明かされ重要な意味を持つのですが映画版ではこの設定は全て無くなっています。それに伴って二美子の才色兼備な様子も一切ありません。
尺が足りなかったために2人の心情を深掘りする時間がなかったためだと思われます。

コンプレックスというテーマ自体もなくなってしまったので、映画版では2人の話はより一般的な恋人関係を描くものになっています。

「夫婦」では夫でなく妻がアルツハイマー病

第二のショートストーリーではアルツハイマーとそれを支えるという関係の夫婦が出てきます。原作では妻が看護婦であり、夫がアルツハイマーで記憶を失っていくというものでした。
映画版ではそれが逆転しています。夫が看護師であり、記憶を失うのは妻です。

この変更点については配役のバランスをとったものと考えられます。
原作では過去に戻るのは全て女性であったため、映画版はそれを嫌ったものと考えられます。
小説では気になりませんが、視覚化してみると偏りが気になるということはよくあるため、映画版らしい変更点と言えます。

「姉妹」では大食い設定なし

姉妹では特に変更点はありません。強いていうなら妹である平井久美(松本若菜)の大食い設定がありません。変更というより、尺が限られていたために漏れてしまったという方が妥当かもしれません。

「親子」は大幅な変更

最後の第4話「親子」では大幅な変更が加えられています。
小説版におけるこのパートは計がメインで活躍するため、そもそも登場しない映画版では大きくリライトされています。
ここで重要になってくるのが幽霊である謎の女です。

幽霊の謎が原作では明かされない

原作でも映画版でも幽霊の正体は数の母である時田要(石田ゆり子)です。

しかし謎を明かすタイミングが変更されています。原作の場合は、謎は明かされず終わります。続編『その嘘がばれないうちに』で初めてその正体が明かされます。

しかし映画版では作品をまたがずに明かされてしまいます。クレジットされている原作に『その嘘がばれないうちに』が含まれていたのはそのためです。

計の代わりに数が妊娠!

原作では未来の子供であるミキが母親の計と出会います。映画版ではこのストーリーラインをなぞり、数がミキの母親になっています。この変更で父親が必要になったため、新谷亮介という新キャラクターが追加されたと考えられます。

原作で計は死んでしまうが……

原作ではミキを身ごもった計は出産に耐えられず死んでしまいます。

しかし、今作ではミキを身ごもった数は亡くなりません。無事にミキを産み、生きていきます。この違いには幽霊である時田要の謎が関係しています。親子の別れを描くことがテーマだったため、原作では計とミキの2人が別れを経験します。

しかし映画版では数と幽霊である要の2人が親子の別れを味わうことになります。そのため原作の計のように数が死んでしまうストーリーラインがそもそも必要なかったのでしょう。

原作と映画版の違いを実際に感じて楽しもう!

以上、『コーヒーが冷めないうちに』の原作と映画版の相違点を見ていきました。こうしてみると同じタイトルですがかなりの変更があるようです。そのためどちらの作品を見ても新鮮に楽しめる作りと言えます。原作が未読という方も、映画版が未見という方もぜひもう一方の作品に当たって見てください。

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