「三億円事件」の犯人が小説投稿サイトに登場!?

昭和を代表するとも言える「三億円事件」先日、その犯人を自称する男が事件の手記をネット小説投稿サイト「小説家になろう」にアップし話題となりました。すでに時効が成立しているこの事件。関係者は生きているとすれば70近い老齢です。果たしてこの手記は本物なのでしょうか?今回の記事では三億円事件の概要と、投稿された手記を紹介して行きます。

そもそも「三億円事件」って何?

1968年(昭和43年)に起きた窃盗事件です。三億円という大金が奪取されたということ、またその鮮やかな手口からマスコミに大々的に取り上げられ大きなニュースになりました。2011年の立川6億円事件が起きるまでは日本史上最大の金額の窃盗事件として知られています。ルポやノンフィクションなどのいわゆる実録物だけでなく、小説・映画・漫画でも題材にされるなど今なお多くの人々に語られています。

事件の経緯

東京芝浦電気(現東芝)の社員ボーナス輸送車に白バイに乗った男が声をかけました。ここからこの事件は始まります。爆弾が仕掛けられているとの情報が入ったと言い、白バイの男が車を捜索し始めます。そして男が車体の下に潜り込むと煙が。爆弾が爆発するから逃げろと告げられ輸送車に乗る男たちが避難します。すると、何事もなかったように白バイの男は輸送車を運転し走り去ってしまいました。

有名な3億円事件の発生状況です。爆弾は嘘、煙も発煙筒を使っただけなど、子供騙しのような手法です。暴力を一切使っていないため、強盗ではなく窃盗事件として扱われています。
その後、検問が敷かれるなど大々的な警察の追跡が始まります。その総額費用はなんと9億円以上という力の入れよう。しかし捜査は難航。犯人を逮捕するには至らず、1988年(昭和63年)時効を迎えます。未解決事件として迷宮入りしてしまったため、今も犯人はわかっていません。

囁かれる数多くの「犯人説」

昭和最大の未解決事件である「三億円事件」関心が集まるのはやはり「誰が犯人なのか?」です。ルポによる多くの考察や、フィクションでも犯人を作品に登場させるなど「三億円事件」の犯人というのは繰り返し話題となっていました。では今までのところ、どのような「犯人説」が囁かれているのか。紹介していきます。

白バイ隊員の息子「少年S」説

最有力な容疑者として捜査線上に上がった人物です。「立川グループ」という不良グループに属しており、父親が白バイ隊員でした。状況証拠から今でも犯人説として有力な存在ではありますが、青酸カリで服毒自殺を図り、真相は謎のままです。り、真相は謎のままです。

ゲイバーの経営を志す男「青年Y」説

少年Sと親交の深かった人物です。彼が裏で糸を引いていたのではないかと考察されています。ゲイバーの経営資金が必要としていた。しかし事件後、ゲイバーを開き、またハワイで高級マンションを買うなど羽振りが良くなったことが知られています。こうしたことから、今回の事件と関連づけられて語られる存在です。て語られる存在です。

黒人米兵の息子「ジョニー」説

三億円という大金の行方が一向に見つからない理由、それは在日米軍基地にあるからではないか?との考察からこの説が支持されています。確かに治外法権である基地内部ならば警察の目を盗むことができるかもしれません。 一橋文哉『三億円事件』では犯人グループのなかに黒人米兵とのハーフである「ジョニー」がいたとされ、彼こそが真犯人であると目されています。彼も事件後急に羽振りが良くなるなど、怪しい状況でありますが、確実な証拠になるはずの「横田基地と同型のメガホン」が無くなってしまい、捜査を進めることができませんでした。

公安黒幕説

「三億円事件」は正確には強盗ではなく、窃盗事件です。暴力が行使されなかったため誰も傷ついていません。また被害を被った東京芝浦電気は保険によって損失を補填できています。こうした状況から「誰も苦しまなかった強盗事件」と言われるほど。ここから広まったのが、公安が事件を仕掛けたという考察です。当時は学生闘争が熱を帯びており、地下組織が多くありました。三億円事件の大規模捜査により、こうした組織の打撃を受けたことは事実です。この後、学生運動は以前よりも下火の雰囲気になっていきます。陰謀論めいていますが、面白い犯人説と言えます。

『初恋』の著者犯人説

今回の手記と少し状況が似ています。『初恋』は2002年リトルモアから出版されたこの本は三億円事件をモチーフに描かれた作品です。女子高生がその犯人であったという衝撃的な内容ですが、この小説の著者が犯人ではないかと囁かれています。小説の登場人物である女子高生は著者と同姓同名。体裁も前書きと後書きがあるなど自叙伝のような作りです。詳細に描かれているため、ドラマ版の役を演じた宮崎あおいなどは「本当に彼女が犯人なんじゃないかと思った」と語るほど。しかし結局真偽はわかっていません。

投稿された手記の特徴

小説投稿サイトである「小説家になろう」に投稿された今回の手記『府中三億円事件を計画実行したのは私です』その特徴とストーリーラインを説明していきます。

犯人の一人称視点

老齢に達した真犯人は妻の死によって今回手記を公開しようと思い立ったと説明しています。警察に話すことは諸事情で断念。手記発表の場を探していたところ息子からこのサイトを紹介されたとのこと。そのためこの手記は犯人の語りから始まる一人称視点です。第三者による地の文は一切ありません。

少年Sとの交流

気になるストーリーラインは「少年S」との交流に焦点が当てられています。少年Sと女、そして自分の三角関係であり、自分と女で三億円事件を計画実行したと語られています。そして少年Sに罪を着せ、自分たちは捜査の目から逃れたのです。つまりこの手記は少年S犯人説を下敷きにしたものと分類できます。

犯人しか知り得ない情報

本当かどうかを証明するのに一番手っ取り早いのは、犯人しか知り得ない情報を開示することです。この手記で語り手はジェラルミンケースに警察手帳を入れたと話しています。この点に関しては情報が公開されておらず、関係者しか知り得ない情報です。もしこれが本当であるなら、この手記を書いた人物は本物であると言えます。しかし情報が公開されていないため、現在この情報に真偽を確かめる手段がありません。

疑問点

ここまで話題になっている理由、それはこの手記が本物であると感じさせるほどの緻密な描写や整合性です。辻褄の合わない部分を指摘されていますが、決定的な矛盾はありません。しかし疑問点がないわけではありません。最も多く指摘されているのは小説として体裁が整っているという点です。「ー ダッシュ」や「… 三点リーダ」の使用が散見され、ここが「老齢」にはそぐわない文体だと指摘されています。また、「… 三点リーダ」に関しては単体ではなく「……」と重ねて使われています。これは脚本や小説の体裁として特徴的なもので、ここからかなり小説を書くことに慣れている印象です。しかしこうした疑問点も印象にすぎませんし、ゴーストライターがいる可能性も否定できません。

嘘か誠か

以上、投稿された「三億円事件」の手記を見ていきました。嘘なのか本当なのか、未だ決定的な答えは出ていません。読んだ人の感想では「真偽はおいておいて読み物として面白かった」という声も多く挙げられています。ぜひこれを機会に嘘か本当かをあなたの目で確かめて見てください。

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